コロナもかなり落ち着いてきたようにみえるが、今後どうなるかまだ不安な状況は続いている。相談を受ける際、直接に面談するのが状況を把握するには最も効果的ではあるが、こうしたコロナ禍のもと、電話での相談はもちろんのこと、2回目以降の打ち合わせにおいては、Zoomで行うことも増えてきている。一見、このZoom面談は直接面談の代替になるようにも思われるが、実際に経験してみると少し“あれ？”と思うことがある。直接にお会いして面談する場合には、お客様が話される内容以外にも様々な情報が得られる。具体的に申し上げれば、①話をされるお客様の表情、②声のトーンや間合い、③直接向き合ったときの雰囲気や仕草である。その他にもあるかもしれないが、私の主観では大きくはこの３点である。

１． Ｚｏｏｍ相談、電話相談では・・・

電話相談も気軽に相談できる方法としては多用されている。しかし上記の①については、お客様の表情は、全く見えない。②については、ある程度感じることができる。③については、全くわからない。電話相談では、こういった不都合が考えられる。

この不都合をカバーするものとして、Ｚｏｏｍはどうであろうか。一見①～③すべてをカバーするかに見える。しかし、実際体験された方は、わかると思うが直接面談とは結構な差がある。①のお客様の表情は確かに見えるが、何故か平面的で立体的でない。デジタル技術にもよるだろうが、現状では平面的でその表情は直接面談と大きく異なる。③についても同様の理由で、こちらについては直接面談ともっとかけ離れる。さらに、当然カバーされているはずの②についても、何故か声のトーンや間合いが把握しにくい。“デジタル的な音声・機械的な音声”といった表現がぴったりだと思うが、その音質が要因でないかと思う。

面談の有効性から見ると、直接面談＞Ｚｏｏｍ面談＞電話、と思いがちであるが、少し違うような気がする。直接面談が最も優れていることに異論はないと思うが、Zoom面談と電話の順は？である。というのも電話音声の場合、Ｚｏｏｍと異なりかなり肉声に近く、②の声のトーンや間合いはむしろ電話相談の方が優れていると感じる。このような事情もあり、私は初回相談については、電話相談を優先して考えている

２． Ｚｏｏｍの使い道は？

それではＺｏｏｍ面談は劣後した方法であろうか。デジタル的な要素が強まる2回目以降の打合せについては、むしろ電話よりＺｏｏｍの方が優れている（会社におけるＺｏｏｍ会議はこれに該当するのではないだろうか）。Ｚｏｏｍの方が直接面談の形に近く、電話の場合より落ち着いて応対できる点が大きい。さらに双方向のやり取りにおいて、資料の画面共有という方法が可能なこともある。リアルタイムに双方向のやり取りが必要でない場合には、完全デジタル対応として、メールという方法でも代替できるであろう。

以上のように、私の場合、初回相談は直接面談か電話で、2回目以降については、状況が許せばＺｏｏｍ面談やメールという方法を併用するという考えで対応している。もっともまずはお客様のご要望次第ではあるが・・・

【2021年10月30日】