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遺産分割協議書の確認条項【相続】

相続登記の依頼がある場合、確定した遺産分割協議書を持参されるケースは少なく、むしろ遺産分割協議書をどのように作成したらよいのかといった相談を伴うことがほとんどである。その際、遺言書の存在、相続人の確定は必ず前提として行うのだが、この段階は割合早く結論が出る。しかし、その次の段階である遺産分割協議となると時間が結構かかったりする。分割対象の遺産の特定、その後の分割割合の決定(相続税の負担がどうなるかといった判断要素も必要になる)というステップに移るからである。そして、いざ遺産分割協議書を作成しようとする段階で、どこまで書き込むかはその後の各相続人の事務処理に影響するだけに熟慮する必要がある。亡くなった方の遺産が、不動産、預貯金、株式等比較的単純なものであれば、遺産分割協議書の作成は割合簡単に進む。しかし、例えば、①誰かに貸している建物があるがどう処理するのか、②それに伴い預かっている敷金返還債務はどう処理するのか、③また賃料収入といった金銭債権があるがどう処理するのか、④借金があり誰が債務を負担するのか、⑤連帯保証債務があり、相続人が共同で返済するものの求償権が発生しその後どう回収するのかなど、亡くなった方の生前の活動が広範囲に及んでいればいるほどその後の処理について、相続人の悩みの種になっていくのである。また、⑥お墓など祭祀財産があり、誰が承継するかはっきりさせておきたいがどうするのか、⑦相続開始後、預貯金を使ってしまい相続開始時の金額と現存する金額に相違があるが、遺産分割の金額はどう考えたらよいのかといった疑問も生じることもある。

上記のケースはいずれも法律的な取り扱いは整理されており、遺産分割協議書の内容として必ずしも記載しなくても構わない。①賃貸人の地位は、当該不動産の取得者に当然に移転する(民法第605条の21項)、②敷金返還債務も承継される(民法第605条の24項)、③相続開始後遺産分割協議成立前に生じた賃料は、各相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得する(最高裁判例)、④借金などの消極財産は、遺産分割協議を経ることなく、相続開始と同時に各相続人がその相続分に応じて分割承継される(最高裁判例)、⑤保証債務も前記④と同様であるが、求償権の回収をどう処理すべきかについては、遺産分割協議の範囲外である、⑥祭祀財産は相続財産ではないため、遺産分割協議の範囲外である、⑦相続開始時から遺産分割時までの間に処分されたことに伴い生じた代償財産は、遺産分割協議の対象とならないが、相続人全員の同意により処分された財産が遺産分割時に存在するとみなすことができる(民法第906条の2。なお、処分が一部の相続人によってされた場合は、当該者の同意は不要)。

しかし、これらのケースにおいて法律的な取り扱いが整理されているからといって、法律専門家でもない一般の相続人がお互い共通の認識に立てるかと言えばはなはだ疑問である。こうした場合、私は必ずその処理について遺産分割協議書に含め記載することを推奨している。いわゆる「確認条項」である。例えば、①~③については「当該建物の所得者を明記した上で、賃貸借契約の賃貸人の地位は取得者が承継する。相続開始後遺産分割協議成立までの賃料は○○に取得させる(いわば債権譲渡である)」、④については「借金は○○が引き継ぐ(いわば債務引受である)」、⑤については、求償権の回収の手順を確認条項として記載する。「各相続人が共有する△△に対する求償債権について、別途債権譲渡契約を締結し○○が譲り受ける。債権譲渡に伴う対抗要件の具備手続にお互い協力する(その後○○と主債務者との間で債務弁済契約を締結することになる)」、⑥についてもはっきりさせておく。「○○が祭祀財産を承継する」、⑦についても「処分した財産については、○○が取得する(追認的な取扱い)」。このように確認条項を記載した方が、各相続人にとって、その後の処理方法が明らかになり、疑問が解消されるとともにその後の紛争も回避できる。

法律には当然の帰結となる事項については規定されていない場合が多いが、一般の方が遺産分割協議書を六法全書と突き合わせて処理していくことは事実上不可能である。法律事務の専門家である司法書士(司法書士法第1条)としては、確実に法律と事務処理の橋渡しをしていきたいと考えている。

【2023年5月27日】

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