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取締役会設置・監査役設置に伴う整備事項【経営・会社法務】

ベンチャー企業など設立当初に一人で立ち上げ取締役(=代表取締役)も1名であったが、会社の発展とともにガバナンス強化の観点から、取締役を増員し取締役会を設置、監査役も置く体制に移行していく企業は多い。その際取締役や監査役は社外から招聘し兼務(=非常勤)とする形態をとることもままある。このような体制に移行するにあたって、定款の見直し(それに伴う変更登記)、諸規定等の整備などやるべきことは結構多い。チェックポイントを整理してみよう。

(1)定款の見直し(それに伴う【変更登記申請】)
☑機関として、株主総会及び取締役のほか、「取締役会、監査役を置く」旨を規定する。また、株式の譲渡制限を定めその承認機関が株主総会となっている場合、「承認機関を取締役会(あるいは単に会社)」に変更する。
【登記】取締役設置会社、監査役設置会社、株式の譲渡制限に関する規定変更の登記申請が必要になる。
☑株主総会決議事項として、「会社法に規定する事項及び定款に定めた事項に限り決議できる」旨に変更する(会社法第295条第2項)。取締役会の設置によって経営に対する日常的なチェックが株主から取締役会に移行するため、多くの決議事項は株主総会から取締役会での決議となるからである。
☑株主総会の招集手続について、短期間(3日前とか5日前)での招集通知発送ではなく少なくとも「1週間前(非公開会社の場合)」に変更する(会社法第299条第1項)。株主総会の招集決定は、取締役会で決議する必要があり、そのためにある程度の期間が必要になる。
☑取締役の員数を「3名以上〇名以内」などに変更し(会社法第331条第5項)、「取締役会に関する規定」を追加する。監査役の員数を「1名以上〇名以内」などとし、「監査役に関する規定」を追加する。
【登記】取締役(※場合により代表取締役)及び監査役の選定の登記申請が必要になる。※代表取締役の変更がある場合である。
☑上記の取締役会に関する規定や監査役に関する規定の中には、「報酬等に関する規定」が必要である。報酬等は株主総会で決議する必要があるが、取締役の報酬については、決議項目の説明内容の中に「当該報酬を相当とする理由」が含まれなければならない点は要注意である(会社法第361条第4項、確定額報酬についても2019年に改正)。
☑取締役を社外から招聘する場合、非業務執行取締役(これに加えて監査役も)について、責任限定契約を締結したいとの申し出があることが多い。この申し出にあたっては、役員等の損害賠償責任の規定(会社法第423条以下)を理解しておくことが必要である。規定の仕組みとしては次のようになる。

任務懈怠により“会社に対して”損害を与えた場合には、会社に対して賠償責任を負い(会社法第423条)、この責任を免除してもらうには総株主の同意が必要である(会社法第424条)。しかし、“善意かつ重大な過失がない場合”には、一定の手続を経たうえで一部の責任を免除することができる。ただし、職務執行の対価として受ける額の一定倍(例えば非業務執行取締役、監査役は2倍)については免除できない。例えば、兼務の取締役で、報酬がゼロの場合には、責任免除できない額は存在せずすべて免除可能ということになる。ただし、この点を回避したいのであれば、定款に免除できない額として500万円など一定額を規定しておくことである。一定の手続については、いくつかの方法がある。①株主総会の特別決議(会社法第425条)、②取締役会の決議(会社法第426条)、③責任限定契約による場合(会社法第427条)の3つの方法である。②、③の方法については株主総会の特別決議によって定款を変更する必要があり、監査役設置会社の場合には、議案の提出にあたって各監査役の同意が必要である。なお、監査役設置会社の移行と同時に上記の定款変更を行う場合には、議案提出の時点では監査役がいないため、同意については不要である。一点誤解がないように敢えて触れておくが、これらの損害賠償責任については、あくまで会社に対する損害賠償であって、“第三者に対する損害賠償責任(悪意又は重大な過失によるもの)”については免除されるものではない(会社法第429条)。

【登記】上記の会社法第426条、第427条による定款変更内容については、それぞれ取締役等の会社に対する責任の免除に関する規定の設定、非業務執行取締役等の会社に対する責任の制限に関する規定の設定(又は変更)として登記申請が必要である。
☑上記のほか、「取締役の決定」としていた条文箇所については、すべて「取締役会の決議」に変更する必要がある。

(2)諸規定等の整備
取締役会規則を制定し運営方法等を決めておく必要がある。取締役会は、少なくとも3カ月に1回以上開催しなければならないことは認識しておくべき点である(会社法第363条第2項)。
取締役会議事録は必ず作成しなければならないが、書面で作成する場合には取締役、監査役の押印、電磁的記録で記録する場合は、いわゆる電子署名が必要になる(会社法第369条第3項、第4項)。取締役や監査役を社外から兼務で招聘する場合、書面作成だと都度押印をお願いする作業が必要になる。近年のデジタル化の流れに乗って電子署名ということにする場合にはその準備も必要である。
登記申請も電磁的方法でとなると、電子署名の種類については法務省により限定列挙されているのでこの点についても確認しておきたい(法務省ホームページ「商業・法人登記のオンライン申請について」)。

以上、取締役会設置、監査役設置に伴って、整備する事項をお示ししたが、留意事項は多く、漏れも生じやすい。会社により事情も異なることから、会社法の専門家である司法書士に相談することをお勧めする。

【2025年2月15日】

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