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以前のブログで「定款の見直し(1)~会社法施行(平成18年)以前の設立会社~」というテーマで書かせていただいたが(⇒こちら)、中小企業の事業承継の観点からは、さらに深掘りしておく事項がある。というのも中小企業の登記申請を行っている過程で、定款を拝見することが多いが、その中で平成18年の会社法施行の際に新たに認められた制度の一つである「相続人等に対する株式の受渡し請求(対象は、譲渡制限のある株式)」の規定を採用している会社が結構多い。この規定について、社長に次のような質問を投げかけるとほとんどの方が“考えていなかった”と回答される。
【質問】「役員とか従業員が株式を所有されている場合において、その方が亡くなられた際会社にとっては全く知らない方が株主となってしまうことを回避するためにこの規定を設けられているのですね。確かに“株式の譲渡制限規定”は、相続の場合には適用されないことからこのような規定があることは有効ですね。ただし、この規定は、他の役員や従業員の所有する株式だけではなく、社長自身が所有されている株式にも等しく適用されてしまいます。社長と他の株主の関係が良好であれば問題ないのですが、少しでも信頼関係が崩れているとクーデターにもなりかねません。この点はご検討されたでしょうか?」
少しまわりくどい質問になったが、特にオーナー企業にとっては極めて重要な点である。例えば社長が急死などしようものなら、社長との関係が良好でなかった役員等から株式の売渡し請求がなされ、臨時株主総会が開催され(この場合、売渡し請求の対象となる株式を承継した相続人は議決権行使できない)、会社が株式を買い取ることになってしまう。一種のクーデターである。
それでは、検討の結果この規定を設けないとした場合、上記の例で役員や従業員が所有する株式のみに限って相続が発生した場合、会社が株式を取得するという取扱いができないだろうか。一つの方法として、取得条項付種類株式を発行し(例えばA種類株式)、役員や従業員にはA種類株式を所有させることが考えられる。具体的には次のようになるだろう。
①取得事由として、「A種類株式を保有する株主が死亡した場合において、会社が別に定める日」を定める。
②「当該事由の発生の都度、当会社はA種類株式の一部を金銭を対価とし【取得価格(例えば財産評価通達に定める評価方法に基づく評価額)】で取得することができる」こととする。
③一部の決定方法については、「取得事由が生じたA種類株式を優先して取得する」旨規定する。
※上記②、③については、A種類株式の一部に取得事由が発生した場合、株主平等の原則からすべてのA種類株式が取得対象となってしまうことからこのような規定とした。
ただし、新たにA種類株式を導入する場合には、既に発行されている株式を有する株主全員の同意が必要なことから、A種類株式について優先配当とするなどメリットを付与する工夫が必要になるかもしれない(この観点から、役員や従業員に株式を所有させる以前にあらかじめA種類株式が発行できる定款としておくことがベストである)。また株式の財産権的価値のみを享受させ、議決権を制限する株式としておくことも検討事項である。
取得事由として、相続の発生を例にあげたが、認知など判断能力が低下した場合や会社を退職した場合などその他の取得事由の要否について、検討を深めておくことも必要である。司法書士としては、事業承継の観点からも様々な相談に乗ることが可能であるので、是非お声をかけていただければと思う。
【2024年5月14日】
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