〒224-0032 神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎中央12番5号 飯塚ビル201号
センター南駅(地下鉄ブルーライン、グリーンライン)徒歩4分

受付時間

10:00~17:00
定休日:土・日・祝日
(予約:時間外・定休日対応可)

お気軽にお問合せ・ご相談ください

045-567-4887

相続登記における同一性の証明(3)【登記】

相続登記の義務化が世の中に広く認識されつつあるからなのか、遠い過去の相続開始に伴う案件の依頼が増えてきた。遠い過去であるがゆえに、戸籍上の被相続人が不動産登記簿に記載されているその人なのかという「同一性の証明の問題」は結構悩ましいケースが多くなる。様々な資料で証明することになるが、先例「平成29323日法務省民二第175号」において、戸籍謄本上の被相続人が亡くなった際の住所・氏名(証明資料:被相続人の住民票写し又は戸籍の附票)と不動産登記簿上の住所・氏名の一致で証明できるとしている。ただ、このとおりに証明資料が揃わないことがままある。その際の証明方法を示したのが、この先例を含めた二つの先例だ。「平成29323日法務省民二第175号」では、「登記済証」をその証明資料として使えること(合わせて不在籍証明書・不在住証明書が不要なこと、同一人であることの相続人全員の上申書が不要なこと)が明確になった。その理由としては、先例解説によれば(登記研究831号133頁~)、a.過去確実に権利者の手元に渡る仕組みが担保されていたこと、b.登記済証は相続財産として相続人に引き継がれるが通常であること、c.したがって登記済証の氏名が同一であれば不動産登記簿上の登記名義人と戸籍謄本上の被相続人が同一である蓋然性が高いということにある。

また「令和51218日法務省民二第1620号」では、登記済証がない場合でも、戸籍謄本・住民票写し・固定資産に係る納税証明書(※)・不在籍証明書・不在住証明書を揃えることで証明可能であること(合わせて同一人であることの上申書は不要なこと)が明確になった(上記2つの先例については、ブログ「被相続人の同一性の証明(1)(2)で書かせていただいている。こちら⇒(1)(2))。※自治体により異なるが、横浜市の場合には住所が記載されていないため「固定資産税通知書」を使用する。
二つ目の先例は、二つのキーで証明資料を結び付けていくという考え方だ。a.戸籍謄本と住民票写しでは、本籍と氏名をキーに住所の同一性を確定する、b.住民票写しと納税証明書では、確定された住所と氏名をキーに保有不動産の同一性を確定する、c.納税証明書と不動産登記簿では、確定された保有不動産と氏名が同一であれば、不動産登記簿上の所有者は(住所が異なっていても)戸籍謄本上の被相続人と同一人の蓋然性が高いと判断するわけだ。

上記までの証明方法により、住所が異なるケースについてはほぼ対応できるようになっているが、問題は「氏名」が異なる場合である。昔のことなので、例えば被相続人の氏名が不動産登記簿上では「甲野こと江(漢字)」に、戸籍謄本や住民票写しでは「甲野ことゑ(ワ行え段の仮名)」となっているケースがある。通常はあり得ないことなのだが、昔むかし何故かこのような登記がなされていることがあるのだ。先に紹介した先例は、「住所」のことについてである。さて「氏名」に置き換えてみよう。
まず、上記と同様の考え方により、a.b.まではうまく結びつく。しかし上記c.においては、住所と保有不動産の二つのキーが一致するが、氏名が異なるということになる。二つのキーが一致するのだから、「氏名には同一性がある」と判断できないだろうか。このケースは、先例にないので法務局への相談という対応になる。結論は、次のとおりである。

(ⅰ)最後の住所・最後の本籍を証明する住民票写し・戸籍謄本、(ⅱ)固定資産に係る納税証明書(横浜市の場合、固定資産税通知書)、(ⅲ)登記済証、(ⅳ)「こと江」が別に存在しないことを確認するため、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、(ⅴ)不在籍証明書、不在住証明書ということである。なお、「所有権の登記名義人と戸籍上の被相続人とは同一人である」旨の上申書(又は遺産分割協議書への記載)もあった方がよいと思われるが、今回のケースでは必ずしも必要でないとして取り扱っていただいた(「同一人であることの蓋然性あり」と登記官に判断していただいたということである)。

これらの資料が何故必要になるのか。法務局にその詳細は聞いていないが、以下私見である。先に書いたように、上記(ⅰ)~(ⅲ)により「氏名の同一性」の蓋然性がないとは言えない。しかし、氏名が異なると、同一場所に例えば、「ことゑ」と「こと江」という姉妹がいた可能も否定できない。そこで先例解説にある「登記済証」が証明資料となりうる理由のa.及びb.、さらに上記(ⅳ)(ⅴ)で証明資料を補強するということではないだろうか。古い時代の相続開始に伴う所有権移転登記において今後も様々なケースに遭遇するであろうが、相続の専門家でもある司法書士としては日々研鑽し、頼りがいのある存在となっていきたいと思っている。

【2024年12月14日】

不動産や会社に関する登記でお困りのことはありませんか

皆さんのライフステージにおいては、登記(不動産登記、商業登記)という場面に出会うことは多くあります。

✔ネット経由で取り組んだ住宅ローン、完済したので抵当権抹消したいのだけれど。銀行の担当者にも会ったことがなくどうしたら・・・

✔父親の相続手続きの中で、父親名義となっている自宅の登記手続をどうしたらよいかわからない。

✔個人で事業やっていて銀行から借入れすることに。根抵当権というものを設定すると言われたのだけれど、これって何なの・・・

✔会社の取締役会でいろいろな議案が決議されていくのだが、何を登記したらよいのだろうか。よくわからず不安なのだが・・・

登記に関すること、何でもご相談してください。丁寧にご説明、ご対応いたします。

お気軽にお問合せ・ご相談ください(初回無料)

当事務所の相談ブースです。落ち着いて相談できるよう広めのスペースを確保してます。

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
045-567-4887

※電話に出られない場合がありますが、”メッセージボックス”にメッセージをお願いします。折り返しご連絡いたします。

受付時間
10:00~17:00(予約あれば時間外対応可)
定休日
土・日・祝日(予約あれば対応可)

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

045-567-4887

<受付時間>
10:00~17:00
(予約あれば時間外対応可)
定休日:土・日・祝日
(予約あれば対応可)

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。ZOOMでのご相談も可能ですので、ご希望の方はお問合せフォームからお知らせください。

2025/3/31
4月の営業日 New
2024/12/24
お客さまの声を更新しました New
2023/01/30
横浜商工会議所の専門指導員に委嘱、就任
2022/08/26
認定経営革新等支援機関として、国から認定登録(中小企業庁所管)
2022/04/02
民事信託士として登録承認(一般財団法人民事信託推進センター)

あしざき司法書士事務所

当事務所の相談ブースです。落ち着いて相談できるよう広めのスペースを確保しています。

住所

〒224-0032
神奈川県横浜市
都筑区茅ケ崎中央12番5号
飯塚ビル201号

アクセス

センター南駅(地下鉄ブルーライン、グリーンライン)徒歩4分

受付時間

10:00~17:00
(予約あれば時間外対応可)

定休日

土・日・祝日(予約あれば対応可)